特集再起を目指す損保業界

ビッグモーター事件で浮き彫りに、損保ジャパンが抱える病巣

経営理念やステークホルダーをおろそかにする会社に未来はない

日本能率協会総合研究所 経営ソリューション研究部 主任研究員 /前島 裕美

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2023年は残念ながら複数の企業不祥事が世間を騒がせる結果となり、なかでもビッグモーターによる自動車保険金を巡る不正請求問題は特にメディアで多く取り上げられた。一方、損保ジャパンも本件に関わっていたにもかかわらず、ビッグモーターに比べて、大きく取り上げられる機会が少なかったように見える。本稿では、あらためて損保ジャパン側からの視点で問題を整理するとともに、背景がまったく異なる2社の共通課題を明らかにする。

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まえしま ひろみ
お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、02年日本能率協会総合研究所入社。企業向けのコンプライアンス意識調査、社員満足度調査・エンゲージメントサーベイ、ダイバーシティー調査など、組織に関する調査・研究に一貫して従事。コンプライアンス関連では、全国紙への寄稿のほか、テレビ・ラジオへの出演、セミナー講師なども務める。