2023年は、ビッグモーターによる保険金不正請求事案や大手損保4社による企業向け共同保険の保険料調整問題が発覚するなど、損害保険業界の暗部が露見した1年であった。大手損保4社は金融庁の行政処分を受け、業務改善計画を策定し抜本的な改革へと歩みを進めようとしている。金融庁も3月から有識者会議を発足させ、損保業界の在り方に一石を投じる。その一方で、直近では乗合代理店による顧客情報の漏えい事案が発生するなど、再起を目指す損保業界は依然として前途多難の様相を呈している。
掲載号 /週刊金融財政事情 2024年6月4日号