解説

実現に向け暗雲立ち込める米国の気候関連開示規則の行方

策定済みの規則が産業界と共和党の猛反発で執行停止に

大和総研 主席研究員 /鈴木 裕

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気候変動対策のため、上場企業に温室効果ガス(GHG)の排出状況や削減に向けた取り組み等の開示を義務付けようとする動きが世界的な広がりを見せている。欧州で先行し、わが国においては金融審議会のワーキング・グループで検討が始まった。米国もバイデン政権が発足以来、検討を進めてきており、政権発足から3年を経てようやく米証券取引委員会(SEC)が開示規則の策定にこぎ着けた。だが、産業界や共和党からの反発は強く、その実施は大きな壁に直面している。

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すずき ゆたか
一橋大学法学部卒、大和証券入社。米国ロチェスター大学MBA。大和総研で年金基金、アクティビストファンドなどの株主行動や国内・海外のコーポレートガバナンス改革の動向についての調査研究に従事。機関投資家と上場企業との間のコミュニケーションを支援する業務も行う。