解説

オープンエンド型ファンドに「希釈化防止ツール」の利用を要請

国際的議論を受け、FSBとIOSCOが市中協議文書を公表

PwCコンサルティング ディレクター (前金融庁総合政策局国際政策管理官) /橋本 成央

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金融安定理事会(FSB)と証券監督者国際機構(IOSCO)は2023年7月5日、解約可能型ファンド(オープンエンド型ファンド)についての新たな国際的提言案およびガイダンス案を公表した。その内容は、一定の要件に該当するオープンエンド型ファンドに対して「希釈化防止ツール」(解約に伴うコストを解約者に負担させるもの)の利用を求めるものである。希釈化防止ツールの利用は、欧州では一定の実務の進展があるものの、米国では希釈化防止ツールの一つである「スイング・プライシング」を導入する証券取引委員会(SEC)案について、さまざまな議論がなされている。本稿では、これまでの経緯を踏まえつつ、本邦における対応を検討するに当たっての材料を簡潔に整理する。

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はしもと ひでお
東京大学卒(法学士・経済学修士)、ハーバード大学ロースクール卒、エモリー大学MBA。03年金融庁入庁後、国際的な監督業務等に金融庁、日本銀行、イングランド銀行PRA(健全性規制機構)において従事。23年初から本稿の両市中協議案のFSB、IOSCOにおける策定交渉に参加。23年8月金融庁を退職し、9月から現職。