解説

地方銀行の2023年3月期決算分析

出尽くしたマイナス金利の影響、今こそ「攻めの経営」にかじを切れ

トリグラフ・リサーチ 代表(SBIインベストメント執行役員) /大久保 清和

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

上場地域銀行の2023年3月期決算からは、伝統的銀行業務の着実な収益回復が確認できる一方、包括利益が2期連続で赤字になるなど、22年3月期に続き金利上昇に翻弄された様子もうかがえる。今年3月末に東京証券取引所が、PBR1倍割れ企業を念頭に「株価や資本コストを意識した経営に向けた要請」を公表したが、地銀は全行がPBR1倍を割る状況だ(平均0.31倍)。24年3月期の予想ROEも平均3.4%程度にとどまるなか、改めて経営の方向性を抜本的に見直す必要がある。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

おおくぼ きよかず
中央大学卒、一橋大学大学院修士課程修了(金融戦略MBA)。野村証券、バークレイズ、JPモルガン、日本銀行などで34年間にわたって銀行業界の調査・助言業務に従事。13年にトリグラフ・リサーチ開業。16年からSBIインベストメント金融企画戦略担当執行役員兼務。