解説

一帯一路は停滞も、中国の政治・外交プレゼンスの増大に貢献

分野限定のデリスキングで、世界経済のブロック化を回避

大和総研 経済調査部長 主席研究員 /齋藤 尚登

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発表から10年を経る中国の「一帯一路」構想。その効果は特にASEAN(アセアン)諸国で顕在化したものの、ほぼ期待外れとなっている。なかには、中国からの融資拡大で債務危機に陥っている低所得国すらある。一方で、一帯一路をテコに、中国の政治・外交プレゼンスは拡大している。将来的には、世界経済のブロック化が懸念されるなか、デリスキング(リスク低減)を経済安全保障の分野に限定し、他の分野では自由貿易体制を維持することがブロック化回避への近道となる。

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さいとう なおと
98年大和総研入社。03年3月~10年6月北京駐在。23年4月から現職。担当は中国経済・株式市場制度。財務省財務総合政策研究所中国研究会委員、金融庁中国金融研究会委員を務める。