解説

「初任給引き上げ」より「情報開示」が重要な新卒採用市場

中小企業でも意欲ある若者を引き付けることは可能

リクルートワークス研究所 主任研究員 /古屋 星斗

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新卒採用市場が慢性的な「売り手市場」となるなか、新卒社員の初任給を引き上げる動きが相次いでいる。しかし、筆者の調査によれば、就活中の学生を引き付ける上で初任給引き上げの効果は限定的である。むしろ重要なのは、学生が求める情報を適切に情報開示していくことだ。取り組み次第で、中小企業でも大企業以上に優秀な人材を採用できる時代になっている。

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ふるや しょうと
一橋大学商学部卒、一橋大学大学院社会学研究科修了後、11年経済産業省入省。産業人材政策、投資ファンド創設、福島の復興・避難者の生活支援等に携わる。17年から現職。スクール・トゥ・ワーク代表理事。著書に『ゆるい職場─若者の不安の知られざる理由』(中央公論新社)等。