特集2検証! 米欧銀「信用不安」の残響

市場は不安一服も、流動性が失われるとノンバンク発金融危機へ

資産規模は小さくともリスク軽視できず、S&L危機が証明済み

ピクテ・ジャパン シニア・フェロー /大槻 奈那

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3月初めから急速に広まった世界的な信用不安は、UBSのクレディ・スイス救済劇を最後に、いったんは沈静化を見せている。不安の伝播を食い止めることに成功した各国当局の対応を賞賛する声もあるが、一方で流動性・資本性の金融規制の在り方や、銀行救済の進め方など多くの課題も露呈した。あらためて金融システムの安定化を図るための議論が行われてしかるべきだろう。今後、銀行からの流動性供給が滞れば、救済措置の範囲外となるノンバンクなどを震源地とした新たな金融危機が起こる可能性もゼロではない。

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おおつき なな
東京大学文学部卒、ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。一橋大学で博士号取得(経営学)。日系の銀行勤務の後、外資系金融機関で企業分析に従事。名古屋商科大学ビジネススクールマネジメント研究科教授。16年マネックス証券専門役員チーフアナリスト。22年9月から現職。