解説

予算ありきの安直な脱炭素投資の推進は愚行そのもの

杜撰すぎるGX実行計画、公の場で財源や使途の議論を

キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 /杉山 大志

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政府主導の下、2050年のカーボンニュートラルを目指して進められているGX実行計画。しかし、その制度設計は大した議論もなく約3カ月で練り上げられた内容で、防衛費を上回るGDPの3%に相当する原資を捻出しようとするなど、杜撰であると言うほかない。「グリーン対応であれば、議論は不要」という考えがはびこっているが、安直なグリーン投資を繰り返せば、かえってコスト負担の問題点が露呈し、日本の経済・財政への悪影響につながりかねない。

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すぎやま たいし
東京大学理学部物理学科卒業、工学部物理工学修士。95年国際応用システム解析研究所研究員などを経て19年から現職。専門は温暖化問題およびエネルギー政策。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、経産省産業構造審議会等の委員を歴任。著書に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)など。