日本の大学と海外の大学とでは資金力に大きな開きがある。例えば、米ハーバード大学の基金規模は4.5兆円に及ぶが、日本では基金規模が一番大きい慶應義塾大学でも870億円程度。もたらされる運用益の違いから、結果として日本の大学は海外と比べて研究力で大きく後れをとっている。こうしたなか、日本では政府主導で10兆円規模の「大学ファンド」が立ち上がった。大学ファンドでは巨額な運用益を通じて、日本の大学の資金力にテコ入れしていく考えだ。一方で、運用に失敗した場合は、予定どおりの助成金が支払われない可能性もある。
掲載号 /週刊金融財政事情 2023年1月31日号