新型コロナウイルス感染拡大防止のために続けられてきた入国制限が10月11日に撤廃され、日本でもインバウンド再開の経済効果に対する期待が高まっている。政府は10月28日に発表した総合経済対策で、足元の円安を生かして日本にインバウンドを呼び込み、外国人旅行消費額年間5兆円超の達成を目標に掲げた。
インバウンドを復活させる上では、金融インフラの充実も課題の一つに挙げられる。キャッシュレス決済推進協議会が公表する「キャッシュレス・ロードマップ2022」によれば、2021年におけるキャッシュレス決済比率は米国55.8%、英国63.9%、中国83.0%であるのに対し、日本は29.8%と諸外国と比べて大きく見劣りする。日本の商店街などではいまだに現金だけを取り扱う店も多く、キャッシュレスが浸透している国からの訪日観光客が日本の現金文化に戸惑うことも少なくない。
政府が掲げるインバウンド消費5兆円超を実現するためには、いかにお金を使ってもらうかが重要になる。訪日観光客が買い物や食事をストレスなく楽しめる決済インフラなどの整備は、インバウンド復活に向けて欠かせない取り組みだ。