解説

ウクライナ情勢緊迫化で脱炭素は「モラトリアム」に

民主主義防衛が優先され、エネルギー政策は「戦時モード」へ

キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 /杉山 大志

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ロシアによるウクライナ侵攻で、エネルギー政策の前提は根本から変わった。今後、10年ほど「戦時モード」は続こう。先進諸国は独裁主義に対する民主主義の勝利に寄与することが最優先となり、エネルギーの安定・安価な供給に奔走せざるを得ない。脱炭素は事実上モラトリアム(一時停止)となり、原子力と石炭火力が最大限利用される一方で、光熱費高騰の元凶の一つである再生可能エネルギーや電気自動車(EV)などの脱炭素政策には急ブレーキがかかるだろう。

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すぎやま たいし
東京大学理学部物理学科卒業、工学部物理工学修士。温暖化問題およびエネルギー政策を専門とする。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、経産省産業構造審議会等の委員を歴任。産経新聞「正論」レギュラー執筆者。著書に『脱炭素は嘘だらけ』(産経新聞出版)等。19年から現職。