消費者の購買情報や位置情報、SNS上のテキストデータなど、これまで活用してこなかったデータ(オルタナティブデータ)を金融実務に生かす取り組みが始まっている。資産運用の分野ではすでに実用化が進んでいるほか、融資判断や保険料の算出、取引先の温室効果ガスの測定など、多くの分野での活用が期待されている。一方で、データの活用に当たっては、個人情報などプライバシーへの配慮やデータ分析を行う人材の確保・育成などの課題も残されている。新型コロナウイルスの感染拡大や加速するデジタル化などにより経済活動が大きく変化し、新たなビジネスの創出やリスク管理態勢の構築が重要性を増すなか、黎明期にあるオルタナティブデータ活用の現状と今後の可能性に迫る。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年3月15日号