解説

ESGの定性指標が示唆する保険会社のリスクと課題

日本は自然災害リスクが大きいが、海外展開は別のリスクを生む

S&Pグローバル 主席アナリスト /久保 英次

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

S&Pが昨年10月に公表した「ESGクレジットインジケーター(CI)」は、ESG要因の信用力に対する影響を定性的に評価した指標である。当該スコアをS&Pの全格付け先に付与することで、ESGリスクのグローバル比較が可能となり、日本の保険会社における環境リスクの高さが浮き彫りとなった。環境リスクの主要ドライバーはわが国の自然災害リスクであるが、そのリスクを分散・軽減するために各社が海外展開を行うことは、一方で新たなリスクを生み出す可能性がある。本稿では、国内外の主要保険会社のESGCIのスコア状況を紹介しつつ、ESG上の課題について考察する。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

くぼ えいじ
PwCあらた監査法人、ムーディーズ等を経て16年から現職。主に国内外の生損保等の金融機関の法定会計監査・内部統制監査、クレジット分析に約20年間従事。S&Pグローバルのグローバル保険ハイブリッド証券諮問委員会共同議長等を務める。慶応義塾大学経済学部卒、CFA協会認定証券アナリスト、ニューハンプシャー州公認会計士。