特集真のサイバーセキュリティーを構築せよ!

対処能力を大幅に強化する警察庁「サイバー警察局」

金融機関や通信事業者等と連携し、デジタル社会の安全を確保

警察庁 生活安全局 情報技術犯罪対策課長 /阿久津 正好

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新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「新しい生活様式」の定着や加速するデジタル化により、サイバー空間は今後、重要かつ公共性の高い場へ変貌を遂げていくと考えられる。一方、ランサムウエアによる被害が大幅に増加し、フィッシング等によるクレジットカード不正利用が増加の一途をたどるなど、サイバー空間を巡る脅威は極めて深刻な情勢が続いている。そうしたなか、サイバー事案への対処能力を強化し、諸外国との連携を推進するなどの観点から、警察庁に「サイバー警察局」を設置するとともに、国が重大サイバー事案について直接捜査を行うための警察法改正案を1月28日に閣議決定し、今通常国会に提出した。本稿では、現下のサイバー犯罪情勢を概観するとともに、サイバー警察局の趣旨を説明し、官民連携の方向性を論じたい。

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あくつ まさよし
96年東京大学法学部卒、警察庁入庁。08年在ドイツ日本大使館一等書記官、11年警察庁企画分析課理事官、14年警察庁総務課企画官、16年内閣官房内閣総務官室参事官、17年警察庁刑事指導室長、19年内閣官房五輪・パラ事務局参事官、20年警察庁長官官房参事官(国際・サイバーセキュリティ対策調整担当)などを経て、21年3月から現職。