特集問われる社外取締役の責務

形だけのガバナンスでは社外取締役は機能しない

企業価値を上げるため、社外取は常に刀を懐に忍ばせる覚悟を

KKRジャパン KKR Global Institute シニアフェロー /斉藤 惇

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社外取締役の大きな役割は、合理的な判断であっても社内からは言い出しづらい案件を、独立性をもって指摘し、執行を監督することで企業価値を高めることにある。みずほフィナンシャルグループ(FG)のガバナンスや取締役会の体制は外形的には優れていたが、システム障害に関しては執行の監督が不十分だった。新銀行構想を巡ってCEOを解任した山口FGでは、取締役会が機能したといえるが、その構想に代わる持続可能なビジネスモデルを新経営陣が打ち出せるか、フォローが必要だ。経営の有事の際はトップに辞任を迫り、それがかなわなければ自ら辞める覚悟が社外取締役に求められる。

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さいとう あつし
63年野村証券入社、95年同社代表取締役副社長。住友ライフ・インベストメント代表取締役社長、産業再生機構代表取締役社長、東京証券取引所代表取締役社長、日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOなどを経て、17年から日本プロフェッショナル野球組織コミッショナー、KKRジャパン KKR Global Institute シニアフェロー。