解説

足元の円安基調で、日銀は金融政策変更に動くか

副作用が累積するYCCを修正する「好機」となる可能性も

第一生命経済研究所 主任エコノミスト /藤代 宏一

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短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に固定するイールドカーブ・コントロール政策は、内外金利差の拡大を通じて円安を招く可能性が高いと一般的に理解されている。では、もし円安が一段と進み輸入物価が急上昇する事態に発展した場合、日銀はどう対応するだろうか。筆者は、輸入物価上昇に金融引き締めで対処するのではなく、「円安は一時的」と静観する可能性が高いと考える。ただ、世界的に金融緩和を手仕舞いする動きが広がるなか、日銀が便乗する「サブシナリオ」は意識しておく必要はあるだろう。インフレ率上昇は、たとえその中身が「悪性」であったとしても、金融緩和縮小に向けた議論を盛り上げるのも事実である。

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ふじしろ こういち
05年第一生命保険入社、10~12年内閣府経済財政分析担当に出向、18年参議院予算委員会調査室客員調査員、早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)。