EY新日本監査法人 パートナー /喜多 和人
EY新日本監査法人 パートナー /喜多 和人
投稿日2021.11.05. /週刊金融財政事情 2021年11月9日号
今般、企業会計基準委員会(ASBJ)は、「予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損の開発」に着手した。貸倒引当金の計測手法の見直しを主眼とする金融商品会計基準の改正に向けた検討が、具体的に開始されたことになる。金融検査マニュアル廃止後、一部金融機関で自らの融資方針や債務者の実態を踏まえ、信用リスクをより的確に引当に反映する動きが見られており、今回のASBJの検討は、今後の引当実務を考える上でも参考になる。本稿では、海外における会計実務との比較および本邦における足元の環境を踏まえ、引当実務を巡る今後の見通しや金融機関に求められる対応、実務上の課題について解説する。
きた かずと
一橋大学社会学部卒。公認会計士。外資系投資銀行を経て現職。国内外の金融機関向けの会計監査および財務会計アドバイザリー業務に長年従事。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年11月9日号