解説

私的整理の再生計画における二次納税義務の「落とし穴」

東京地裁2020年11月6日判決に見る事業再生上の留意点

潮見坂綜合法律事務所 弁護士 /鈴木 正人

大知法律事務所 弁護士 /村上 雅哉

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私的整理において債務者企業が金融機関に対し債権放棄を求める場合、経営者責任の取り方として、経営者が債務者企業に対して有する債権の放棄を求められることが多い。ところが、近時、経営者から債権放棄を受けた会社が、当該経営者の滞納税金の第二次納税義務を負うと判断した判決(以下、本判決)が現れた。経営者から債権放棄を受けても第二次納税義務を課されれば、企業の事業再建に支障を来すことになりかねず、本判決が私的整理の実務に与える影響は小さくないと考えられることから、本稿で解説する。

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すずき まさと
弁護士・ニューヨーク州弁護士登録。10年から11年まで金融庁・証券取引等監視委員会事務局証券検査課課長補佐、専門検査官。主な業務は金融機関への支援等。

むらかみ まさや
03年弁護士登録。大知法律事務所パートナー弁護士。現在に至るまで訴訟案件や事業再生案件を中心に企業法務に幅広く関与している。