第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト /熊野 英生
第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト /熊野 英生
投稿日2021.10.08. /週刊金融財政事情 2021年10月12日号
10月4日に岸田文雄氏が首相に就任した。その経済政策は、約9年間続いたアベノミクスの流れを微妙に軌道修正するものになるだろう。要点は、①分配重視(令和版所得倍増計画。格差是正、賃上げ、中間層の復活)、②経済成長のためのデジタル化推進(デジタル田園都市国家構想)、③積極財政を主導(年内に数十兆円の財政刺激を計画)、となる。岸田政権が長期政権となるには、秋の衆議院選挙と来夏の参議院選挙に勝利しなくてはいけない。このハードルを乗り越えて、安定的な政権基盤を築いた後で、中長期の財政再建計画を描き直すチャンスが到来する。金融政策も、当面は枠組みを変えることはできないが、賃上げを通じて物価上昇率が1%前後まで上がってくれば、その先に展望が見えてくる。
くまの ひでお
90年横浜国立大学経済学部卒、日本銀行入行。00年第一生命経済研究所入社。11年から現職。専門は金融政策、財政政策、為替・長短金利、経済統計。
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