特集カード会社の命運握る「IRF問題」

IRFの料率格差が生む国内外の加盟店手数料の違い

国内クレジットカード会社はIRF公開を前提とした改革を急げ

山本国際コンサルタンツ 代表 /山本 正行

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海外と比べて、日本のクレジットカードの加盟店手数料率は高過ぎる──。政府がキャッシュレス決済の普及を重要課題として推進する中で、こうした問題意識が高まっている。もっともその理由は明確で、国際ブランドが設定するインターチェンジフィー(IRF)がそもそも違うからだ。そして日本のIRFが高い理由の一つには、海外と比べてリボや分割払いが圧倒的に少ないため、決済システムにかかる費用を利用者ではなく、加盟店が負担せざるを得ないというビジネスモデルの違いがある。ただし、今後は、公正取引委員会の調査やそれに基づく報告書などを契機に、従来のビジネスモデルを大きく変えていかなければならない可能性がある。新しいビジネスモデルづくりに乗り遅れた事業者は、生き残りが難しくなるだろう。

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やまもと まさゆき
インテル、マスターカード・インターナショナル、ビザ・インターナショナル・アジアパシフィックリミテッドなどを経て、09年から現職。明治学院大学法学部講師を兼務。著書に『カード決済業務のすべて』(金融財政事情研究会)など。