関西大学 名誉教授 /宮本 勝浩
2020年7月24日から開催される予定であった「2020年東京オリンピック・パラリンピック」(東京五輪)は、新型コロナウイルスの世界的蔓延により1年延期され、21年7月23日からの開催予定となっている。しかし、国内外の新型コロナの流行がいまだに沈静化しないことから、海外観客の受け入れ断念が決定され、会場における観客の人数制限なども検討されている。日本政府や東京都などは、東京五輪の開催により停滞する日本経済の活性化を狙っていたが、期待どおりの経済効果を上げることは難しそうである。本稿では、東京五輪開催の経済効果についてさまざまなケースを仮定して分析した結果を示す(注1)。
みやもと かつひろ
大阪大学大学院経済学研究科博士課程中途退学、経済学博士。大阪府立大学・関西大学名誉教授のほか、インディアナ大学、ハーバード大学で研究員、ロシア極東商科大学、中国同済大学、南京理工大学で客員教授を務める。専門は、国際経済学、理論経済学、経済効果分析。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年6月1日号