解説

日本の中小企業金融を多様にする新たな担保法制の在り方

事業者と金融機関との「共闘」を促す事業成長担保権

金融庁 監督局 銀行第二課 地域金融企画室 室長 /日下 智晴

金融庁 監督局 銀行第二課 地域金融企画室 課長補佐 /水谷 登美男

金融庁 監督局 銀行第二課 地域金融企画室 課長補佐 /後藤 尊志

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これまで担保といえば、不動産や機械などの有形資産だった。仮にこの担保が「事業全体」となった場合、金融機関の融資や事業者との関係はどう変化するだろうか。例えば、現在は、不動産を持たないベンチャー企業は、有望な事業の種を持っていたとしても、融資を受けることが難しい。こうした企業が、経営者保証もなく、事業自体の将来性に基づいて融資を受けられないか──。こうした考えから、金融庁が立ち上げた「事業者を支える融資・再生実務のあり方に関する研究会」は、「事業成長担保権(仮称)」という新たな担保権のたたき台を示した。本稿では、その背景や意義、今後の展望について述べたい。

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くさか ともはる
神戸大学経営学部卒。広島銀行に31年勤務の後、15年11月金融庁入庁。地域金融企画室長、地域金融機関等モニタリング室長などを経て、18年7月から現職。

みずたに とみお
リスク分析総括課(引当担当)などを経て、19年7月から現職。

ごとう たかし
大手都市銀行などを経て、金融庁入庁。19年4月から現職。