新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中が大混乱に陥ってから1年が経過した。海外では再び都市封鎖を導入する都市が相次ぎ、日本でも11都府県に緊急事態宣言が再発令されるなど、2021年もコロナとの闘いは続く。経済活動の停滞に直面する事業者への支援やワクチン普及によるコロナ収束への取り組みが喫緊の課題となるが、経済を立ち直らせ、成長につなげる施策にも同時に取り組まなければならない。その原動力として期待が高まっているのが、脱炭素化の取り組みを経済成長につなげる「グリーンリカバリー」だ。温室効果ガスの削減を実現する技術革新には莫大な投資資金が必要であり、環境関連投資は世界全体で54兆〜67兆ドルに膨れ上がると試算されている。コロナ禍で加速するデジタル社会の到来も、経済成長への弾みとなる。
足元の課題を乗り越え、経済成長を手繰り寄せるために、金融はどのような役割を果たすべきか。そのために必要な環境整備とは何か。社会全体が大きな変革を迫られる2021年の金融キーワードを読み解く。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年2月1日号