解説

主要行7グループの2020年9月期決算分析

「コロナ影響は想定以下」の進捗も、構造改革の加速は急務

JPモルガン証券 市場調査本部 株式調査部 シニアアナリスト /西原 里江

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主要行7グループの2020年9月期決算は、コロナ影響が期初想定以下にとどまり、悪くない進捗であった。コロナ禍により金融商品販売、消費者ローン、クレジットカードなどのリテール事業は打撃を受けたが、トレーディング益や米国債券引受収益が急増し、投資銀行業務の強さが各社の明暗を分けた。与信費用が想定以下にとどまったことも、通期予想の7割近くという高進捗に寄与した。ただ、与信費用の低位安定に助けられている上、資本バッファーは米銀に及ばず、構造改革の成果も欧米銀に後れを取っている。ポストコロナを見据えた構造改革の加速と新規領域の開拓が急務だ。

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にしはら りえ
東京大学経済学部卒、日本銀行入行。金融機構局、国際局、ロンドン事務所等に在籍し、銀行モニタリング業務、国際業務に従事。みずほ証券を経て、16年JPモルガン証券に入社、現在に至る。20年金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」メンバー。日本証券アナリスト協会ディスクロージャー研究会委員(銀行部門)も務める。ロンドン・ビジネス・スクール修士。10~11年コロンビア・ビジネス・スクール日本経済経営研究所客員研究員。