特集国際金融都市への再挑戦

揺らぐ「国際金融センター香港」の地位

米中対立激化で「脱香港」の動きが鮮明に

前みずほ証券 グローバル戦略部 ディレクター(現みずほフィナンシャルグループ 業務監査部 参事役) /村松 健

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香港国家安全維持法(国安法)の施行を契機に、米中の対立が先鋭化している。米国の金融制裁が国際金融センターである香港に与える影響は極めて大きい。中国政府は上海と並ぶ国際金融センターとして香港にも機能継続を求めてきたが、米中対立がその将来を不透明にしている。一方、日本では、香港の代替機能を東京が担うための各種施策を検討しているが、法人税や個人所得税、相続税の水準を他の国際金融都市並みに引き下げる税制対応は難しい。東京を国際金融センターとして強化するためには、巨額の金融資産の活用、円の国際化、多通貨決済の実現などが先決だ。

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むらまつ けん
96年日本興業銀行入行、15年からみずほ証券。20年10月から現職。著書に『銀行実務詳説 証券』(金融財政事情研究会)、『NISAで始める「負けない投資」の教科書』(東洋経済新報社)、『中国債券取引の実務』(金融財政事情研究会、いずれも共著)。日本財務管理学会所属。