解説

「最大雇用」の実現に軸足を置いたFRBの金融政策新指針

フォワードガイダンスの強化により期待インフレをつなぎ留め

一橋大学 国際・公共政策大学院 特任教授 /下田 知行

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米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策運営の基本指針が改訂された。「平均物価目標」の採用に世間の注目が集まっているが、筆者には「最大雇用」実現へのアプローチを変更し、物価が上昇するまで雇用の改善を優先する姿勢を明確にした点がより重要な変化に思える。ただ、FRBを含む先進国中銀の政策余地の乏しさに特効薬はなく、自然利子率の趨勢的低下の中で期待インフレをつなぎ留める難しいかじ取りが続きそうだ。

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しもだ ともゆき
89年東京大学法学部卒、日本銀行入行。国際決済銀行(BIS)派遣、信用機構室調査役、金融市場局企画役、金融機構局国際担当総括、国際通貨基金(IMF)日本代表理事代理、松山支店長、企画局審議役等を経て、18年から現職。趣味は世界中の動物園でカバを見て歩くことと宝塚観劇。