特集本当の中国経済

景気浮揚の号砲を鳴らせなかった全人代

中国経済への過度な期待は禁物

大和総研 経済調査部 主席研究員 /齋藤 尚登

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中国経済は2020年1~2月を最悪期に、その後は緩やかに改善している。しかし、感染症対策の緩和は段階的かつ慎重に進めざるを得ないため、期待された急回復には程遠い状況だ。5月22日に当初予定の2カ月半遅れで開幕した全人代でも、「戦勝ムード」は感じられず、景気浮揚についても慎重さが目立った。中国はコロナ禍からいち早く脱出したとはいえ、世界経済の立ち直りに際して、大きな期待をすることは難しそうだ。

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さいとう なおと
山一証券経済研究所を経て、98年大和総研入社。94~97年に香港、03~10年に北京駐在。帰国後、主任研究員を経て15年から主席研究員、経済調査部担当部長。専門は中国経済、中国株式市場制度。現在、財務省財務総合政策研究所中国研究会委員、金融庁中国金融研究会委員を務める。