解説

預金保険制度の可変料率を巡る論点総整理

制度設計では「小さく生んで大きく育てる」ことが重要

野村資本市場研究所 主任研究員 /小立 敬

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金融庁は昨年8月、2019事務年度の金融行政方針の中で、「将来にわたる規律付け・インセンティブ付与のための預金保険料率」として可変料率の導入に向けた検討を行う意向を示した。この点に関して、「統合や合併で経営基盤を充実させる地銀は料率が下がる仕組みにして、再編を促す」として地銀再編に関連付けられた報道もなされたこともあり、世間の注目を集めることとなった。本稿では、日本の預金保険制度に可変料率を導入する際の論点を整理する。

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こだち けい
慶應義塾大学経済学部卒、97年日本銀行入行。考査局・信用機構室(現金融機構局)、金融庁監督局総務課金融危機対応室(出向)を経て、06年に野村資本市場研究所に入社。専門は銀行規制、資本市場規制。現在は国際的な金融規制改革を中心に研究。