解説

口座維持手数料導入で投資家は行動をどう変えるか

合理的な主体には、貯蓄から投資への流れを促す可能性も

ニッセイ基礎研究所 主任研究員 /福本 勇樹

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マイナス金利政策の副作用に対する処方箋の一つとして口座維持手数料が注目されている。同政策導入後、日銀当座預金者としての民間銀行や機関投資家は、確定的なコストを避ける運営を意図的に選択してきた。民間銀行が口座維持手数料を導入しても、機関投資家を中心に貯蓄から投資の流れを促す可能性が高いが、一方で「タンス預金」を増加させる個人も一定数想定される。口座維持手数料を導入する際には、投資家の合理的な判断を促す意味でも、分かりやすい手数料体系にした上で、十分に時間をかけて情報提供を行う必要があると思われる。

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ふくもと ゆうき
05年京都大学大学院経済学研究科修了、住友信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。14年9月ニッセイ基礎研究所入社。18年7月から現職。主な研究テーマは価格評価、リスク管理、債券投資など。