本年7月、高松空港コンセッションの優先交渉権者が選定された。先行する但馬、新関空(関空、伊丹)、仙台と、2018年4月に運営が開始される神戸空港をあわせれば政府の「PPP/PFI推進アクションプラン」の数値目標である6件が達成されたことになる。空港のコンセッションは順調に進んでいるといえるが、関係者からは厳しい評価も聞かれる。たとえば、民間事業者には、発注者からの情報開示の不十分性、市場の意見を聞くにとどまる「官民対話」、民間に対して負わされる過大なリスク分担などへの不満がある。政府は、コンセッション事業について、運営権対価の最大化といった近視眼的な発想から脱却し、今後優先して進めていくグローバルな競争戦略として位置付ける必要があるだろう。