特集最終決着 バーゼル規制改革の全貌

信用リスクに係る標準的手法の見直し

全体的な所要自己資本水準を維持しつつ規制のリスク感応度を向上

金融庁 総務企画局 総務課国際室 国際保険規制調査官 /青崎 稔

前金融庁 総務企画局 総務課国際室 課長補佐/現有限責任監査法人トーマツ金融インダストリーグループマネージャー /富田 昇

日本銀行 金融機構局 国際課 企画役 /谷口 健

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バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)は、2回の市中協議(2014年12月、15年12月)および定量的影響度調査の結果等をふまえ、信用リスクに係る標準的手法の見直しに合意した。信用リスクは、邦銀のリスクアセット(自己資本比率の分母)の8~9割を占めるカテゴリーであり、また、その標準的手法は、本邦では一部の国際統一基準行に適用されているほか、銀行、信用金庫、信用組合等のさまざまな業態を対象とした国内基準のベースとして用いられている手法である。本稿では、見直しの背景と要点を解説したい。なお、本稿における意見はすべて執筆者の個人的な見解である。

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あおさき みのる
01年一橋大学法学部卒、財務省入省。04年シラキュース大学公共政策大学院修了、05年コーネル大学法科大学院修了。08~10年および14~17年に金融庁国際室課長補佐(銀行担当)、17年7月から現職。

とみた のぼる
08年一橋大学経済学部卒、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入社。15年金融庁国際室課長補佐( 銀行担当)、18年2月から現職。公認会計士。

たにぐち けん
02年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。08年ロンドン大学バークベック校大学院・経済研究課程修了。企画局、ロンドン事務所の勤務等を経て、15年6月から現職。