解説

MiFID IIのリサーチ費用分離明確化による副作用

リサーチ情報の大幅減少が予期せぬ金融危機を生み出す可能性も

大和総研ロンドンリサーチセンター長 シニアエコノミスト /菅野 泰夫

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英国を含むEU加盟国において、2018年1月3日に第2次金融商品市場指令(MiFID II)が施行された。事前の予想どおり、リサーチ費用の分離明確化(アンバンドリング)の影響は大きく、有料となることを警戒し、株式リサーチ・セールス人員への問合せが急減している。カバレッジの減少等によるリサーチの質と量の低下は、市場での流動性低下とボラティリティ上昇という副作用を生み出すこととなる。リサーチ情報の極端な減少は、市場全体の不確実性を高め、予期せぬ金融危機を生み出す可能性すらある。

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すげの やすお
99年大和総研入社。年金運用コンサルティング部、企業財務戦略部、金融・公共コンサルティング部、資本市場調査部を経て13年4月から現職。日本証券アナリスト協会検定会員。