特集長寿化が迫る政策転換

社会保障の持続に不可欠な「医療版マクロ経済スライド」

窓口負担率に差を設けるマイナンバー活用も選択肢

法政大学 経済学部 教授 /小黒 一正

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75歳以上高齢者の増加により国の医療・介護費に膨張圧力がかかり、楽観的に見える政府見通しを前提としても消費税率を20%台に引き上げる必要が生じる。社会保障財政の持続可能性を高めるには、安定財源の確保とともに、膨張する社会保障費の抑制の検討も不可避な状況だ。その手段として、現役世代の人口減や平均余命の伸び等を勘案した調整率を定めて、その分だけ、全体の総額の伸びを抑制する「医療版マクロ経済スライド」の導入が必要と考える。診療報酬単価や窓口負担のあり方についても再考の余地がある。

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おぐろ かずまさ
京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。97年大蔵省(現財務省)入省後、関税局監視課総括補佐、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、15年4月から現職。著書に『どうする地方創生2020年からの新スキーム』(編著/日本経済新聞出版社)等多数。