特集マイナス金利政策の真贋

マイナス金利政策は「景気縮小的」となるのか

スウェーデンが示唆するマイナス金利の実像

新生銀行 金融調査室長 /伊藤 篤

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

スウェーデンのマイナス金利政策を巡り、国際的な論争が起きている。米国の経済学者は「マイナス金利では預金金利が引き下げられず、かえって銀行の貸出金利が上昇して景気縮小的となる」と否定的に見る。一方、スウェーデン国立銀行のアドバイザーは「時間をかけても金利の低下につながり、景気拡大的となる」と肯定的にとらえる。日本では現状、貸出金利の上昇は見られていないが、金融緩和が長期化すれば、そのリスクは高まろう。日本経済には、拡張的な財政政策と金融緩和の強化による早期の物価目標の達成が必要であろう。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

いとう あつし
99年立命館大学政策科学部卒業。00年以降、大蔵省・財務省にてマクロ経済政策・経済調査。06年以降、外資系証券会社にて債券調査を経て、15年新生銀行入行。04年コロンビア大学公共政策大学院(SIPA)修士、会計検査院特別調査職(17年8月~)。専門はマクロ経済学・金融政策。