特集年金問題再浮上!

統計から見た、金融庁「2000万円報告書」の過ち

1年古いデータを根拠に試算を示したことは大きな落ち度

三井住友DSアセットマネジメント 理事・チーフエコノミスト /宅森 昭吉

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いわゆる「老後資金の2000万円不足問題」を指摘した、金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表されると、年金問題と絡めて世間の批判が噴出し、景況感の悪化にもつながった。報告書を見ると、あくまでも一時点の平均値であることについての丁寧な説明がないなど、安易な試算提示とも言える。本稿では、報告書が示した高齢夫婦無職世帯の数字が独り歩きし、真意が伝わらなかった問題を検証してみたい。

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たくもり あきよし
都銀初のマーケットエコノミストを務める。パイオニアである日本の月次経済指標予測に定評がある。身近な社会データを予告信号とする、経済・金融のナウキャスト的予測手法を開発。そのほか「景気ウォッチャー調査」などの開発・改善にも取り組んできている。「景気循環学会」常務理事。