スルガ銀行の取引先であったシェアハウス業者のスマートデイズ問題が表面化してから約9カ月。第三者委員会によって投資型不動産融資に係る審査書類改竄や偽造などの不正が白日のもとにさらされ、行員の関与も明らかになった。与信費用は急増、創業家である岡野光喜氏を含む取締役5名が辞任する事態になった。スルガ銀行は「企業文化を改め顧客本位に立ち返る」と言うが、内規から外れた過剰な融資という直接の損害だけをとれば、銀行内部の問題にすぎないともいえる。彼らは何を誤り、何を失い、そして何を取り戻すべきなのか。
掲載号 /週刊金融財政事情 2018年10月8日号