大和総研 理事長 /中曽 宏
サブプライムローン問題が世界経済に暗い影を落とし始めた2007年当時、米国の金融当局は「システミックな問題にはならない」と説明していた。その後も危機の予兆が随所に見られたにもかかわらず、世界経済は「百年に一度の危機」と称されるリーマンショックに見舞われた。金融システムはなぜ、あの危機を未然に防ぐことができなかったのか。次の危機を引き起こさないためには、どのような対処が必要なのか。当時、日本銀行の金融市場局長として最前線で危機の封じ込めに奔走し、その後も日銀副総裁として金融緩和政策による経済の建て直しにあたった中曽宏氏に、10年前の回顧と「生かすべき危機の教訓」について話を聞いた。
掲載号 /週刊金融財政事情 2018年9月10日号