解説

小規模企業向けデータレンディング成功のポイント

審査支援ツールから自動審査へ、AI型モデルの段階的運用がカギ

日本政策金融公庫 国民生活事業本部 東京地区統轄室 副室長 /尾木 研三

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AIを活用したスコアリングモデルの著しい進歩を背景に、データレンディングを小規模企業向け融資に活用しようと多くの銀行が取り組み始めている。しかし、今はまだ自動審査が可能な段階にはなく、性能を過信すると、2000年代のスコアリング融資のときのような失敗を繰り返すことにもなりかねない。成功のポイントは、まず「審査の責任は人にあり、スコアリングモデルは審査支援ツールである」と位置付けて段階的に運用することである。

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おぎ けんぞう
88年国民金融公庫(現日本政策金融公庫)入庫。総合研究所、総合企画部などを経て、08年からリスク管理部でモデル開発に従事。17年から現職。12年早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了、17年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(博士(工学))。著書に『スコアリングモデルの基礎知識』(金融財政事情研究会)がある。