解説

「部分衝突シナリオ」が進行する米中関係

全面対決は回避されるも、景気に一定の影響が及ぶ可能性は高い

三井住友DSアセットマネジメント チーフマクロストラテジスト /吉川 雅幸

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トランプ米大統領の関税引上げ表明を受け、米中関係は急速に緊迫し、7月中旬まで不透明感が続きそうだ。ただ、中国経済への影響、米大統領選挙の時期を考えると、双方とも全面衝突を回避したいという思惑があるため、「部分衝突シナリオ」で進行する可能性が高い。貿易経由の景気への影響は限定的だが、企業心理悪化の投資抑制効果も加味すると、世界経済にとって0.1~0.2%の減速要因となろう。

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きちかわ まさゆき
84年、早稲田大学政治経済学部卒業後に野村総合研究所に入社。99年に朝日ライフアセットマネジメント、その後、みずほ証券、三菱UFJ証券、メリルリンチ証券を経て、16年にチーフマクロストラテジストとして三井住友アセットマネジメント(現三井住友DSアセットマネジメント)に入社。同社では、主にマクロ経済および金融市場の調査・分析を統括。著書に『ドルリスク』(日本経済新聞社)など。