特集難局に直面する中央銀行

90年ぶりに危機に立たされた「FRBの独立性」とその影響

FRB理事を巡る判決次第で政権の介入圧力が強まる恐れも

みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部 プリンシパル /小野 亮

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「遅過ぎる男」。ドナルド・トランプ大統領はSNSを通じて幾度となく、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し、公然と批判して利下げ圧力をかけてきた。8月には予定より早いタイミングで、トランプ大統領側近であるスティーブン・ミラン氏をFRB理事に送り込むことに成功。現職理事のクック氏の解任すら試みている。FRBの独立性はまさに危機にあるが、今から90年前の1935年夏、現在の米連邦準備制度をかたち作る抜本的制度改革においても、FRBの独立性を巡って激しい議論が交わされていた。

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おの まこと
東京大学工学部卒、富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。98年から02年までニューヨーク事務所。米国経済担当、欧米総括、理事等を経て、20年から現職。