三井住友トラスト・アセットマネジメント シニアストラテジスト /稲留 克俊
三井住友トラスト・アセットマネジメント シニアストラテジスト /稲留 克俊
投稿日2025.09.12. /週刊金融財政事情 2025年9月16日号
7月の参議院選挙での与野党双方による財政拡張的な政策議論を目の当たりにし、2022年秋に発生した英トラス・ショックのような混乱が、日本国債市場でも発生するリスクがあらためて注目された。今のところ「日本版トラス・ショック」と思われる変調は観察されていないが、イールドカーブを子細に見ると、財政・金融政策の方向性のアンバランスを不安視したような値動きも見られる。自公政権が衆参両院で少数与党となった現状を踏まえると、特例公債法問題の再燃といった国債管理政策を巡る不安が付きまとう。今後も市場の警戒は続くとみられる。
いなどめ かつとし
04年UFJつばさ証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。23年まで一貫して日本国債ストラテジスト。同年、三井住友トラスト・アセットマネジメントに移籍。現在に至る。
掲載号 /週刊金融財政事情 2025年9月16日号