特集瀬戸際の日本国債

日本国債市場波乱のトリガーになり得る「特例公債法リスク」

「日本版トラス・ショック」や日本国債格下げでいばらの道も

三井住友トラスト・アセットマネジメント シニアストラテジスト /稲留 克俊

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7月の参議院選挙での与野党双方による財政拡張的な政策議論を目の当たりにし、2022年秋に発生した英トラス・ショックのような混乱が、日本国債市場でも発生するリスクがあらためて注目された。今のところ「日本版トラス・ショック」と思われる変調は観察されていないが、イールドカーブを子細に見ると、財政・金融政策の方向性のアンバランスを不安視したような値動きも見られる。自公政権が衆参両院で少数与党となった現状を踏まえると、特例公債法問題の再燃といった国債管理政策を巡る不安が付きまとう。今後も市場の警戒は続くとみられる。

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いなどめ かつとし
04年UFJつばさ証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。23年まで一貫して日本国債ストラテジスト。同年、三井住友トラスト・アセットマネジメントに移籍。現在に至る。