解説

「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性

デジタル技術を駆使し、仕組み・証跡・共通化で実務課題を解決

ホカン 法務・コンプライアンス室 室長 弁護士 /中村 譲

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

2022年4月に『正直不動産』という漫画がNHKでドラマ化された。ドラマの紹介文には「嘘(うそ)のつけない不動産営業マン・永瀬財地とカスタマーファースト命の月下咲良の名コンビが活躍するシリーズ」とある。ここから分かるのが「正直である」ことと、「カスタマーファーストである」ことは別物であり、両者が掛け合わされると効果を発揮するということではないか。昨今、関連法の改正を受けて、保険代理店(特に乗合代理店)や保険募集人は「顧客の最善の利益」を勘案し、幅広く誠実義務を負うことになった。こうしたなか、記録化や証跡化によって「嘘をつかない」DX化がどのような影響を与えるのかを考察したい。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

なかむら じょう
08年慶應義塾大学法科大学院卒、09年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、hokanに入社。「平成26年保険業法」改正時に、保険会社内で改正対応業務に従事。『金融機関の法務対策6000講』(共著、金融財政事情研究会)、「ペット保険の法的課題」『保険研究』第69集(慶應義塾保険学会)を執筆。