解説

伝統的金融政策回帰を明確に印象付けた植田日銀の7月利上げ

量と金利の両面から時間をかけても着実に進む金融政策の正常化

金融・経済ウォッチャー /鈴木 明彦

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7月末の利上げ決定直後に株価が急落し、日本銀行は事実上追加利上げの中断を余儀なくされた。しかし、日銀保有の長期国債残高の縮小は続き、非伝統的金融政策の出口戦略は前進している。筆者は、金融市場の落ち着きを確認しつつ、今年12月または来年1月には0.5%への利上げがあるとみる。その後も中立金利に向けて数回程度の利上げが想定される。

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すずき あきひこ
81年早稲田大学政治経済学部卒、87年ハーバード大学ケネディー行政大学院修了。銀行、シンクタンク、内閣府でのエコノミスト経験を経て、現在は金融政策を中心に情報発信。青山学院大学ほかで非常勤講師。著書に『デフレとの20年戦争』(金融財政事情研究会)。X(旧ツイッター)@3427asuzuki