解説

大手損保グループの2024年3月期決算分析

株高・円安が好業績を牽引も、求められる国内事業の抜本改革

福岡大学 商学部 教授/保険アナリスト /植村 信保

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3大損害保険会社グループ(東京海上ホールディングス(HD)、MS&ADインシュアランスグループHD、SOMPOHD)の24年3月期決算は、株高や円安、海外保険事業の増益などにより好調だった。他方、主力の自動車保険をはじめ国内損保事業の収支は引き続き厳しい状況にある。昨今の不祥事案を契機に、トップライン/シェア重視の日本型経営から本当に脱却できるのか、政策保有株式の売却を企業価値拡大に生かせるのかなど、グループ経営の真価が問われている。

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うえむら のぶやす
大手損害保険会社、格付投資情報センター(アナリスト)、金融庁(任期付職員)を経て、12年からキャピタスコンサルティングで勤務。20年から現職。専門分野は保険会社の経営分析・リスク管理、健全性規制。主な著書に『経営なき破綻 平成生保危機の真実』(日本経済新聞出版社)、『利用者と提供者の視点で学ぶ保険の教科書』(中央経済社)など。