特集長期化する「円安」の本質

円の価値がかつてないほど下落した本当の理由

円暴落の背景には、実体経済のゆがみの存在

ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト /佐々木 融

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現在の円相場は、実質的に1ドル=360円の頃よりも円安だ。1990年代から2000年代にかけての円高から円安に切り替わったきっかけとして、11~14年ごろに発生した三つの出来事に加え、デフレ経済からインフレ経済への世界的な転換が挙げられる。日本は、表面的な円相場の動きだけに気を取られ過ぎて、その背景にある実体経済のゆがみから目を背ける傾向がある。生活必需品の多くを輸入に頼る日本の自国通貨安は、経済的立場の弱い多くの人々にマイナスの影響を及ぼす。

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ささき とおる
92年日本銀行入行。03年JPモルガン・チェース銀行に入行し、15年から市場調査本部長。23年12月から現職。