特集広がるセキュリティートークン

「世界1位」の取引規模も視野に入る日本のST市場

流通市場開設で期待される投資家の裾野拡大
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 セキュリティートークン(ST)とは、ブロックチェーン(分散型台帳技術)を用いて発行・管理されるデジタル化された有価証券のことを指す。暗号資産とは異なり、不動産や社債など多様な資産を裏付けにできる点が特徴だ。2020年5月の改正金融商品取引法施行により、金融商品取引業者や登録金融機関で取り扱いが可能となった。
 それから約4年がたち、日本におけるST市場は急拡大を遂げている。公募STの総資産額は、21年度の127億円から、23年度は2,349億円(見込み)まで成長した。STの裏付けとなる資産も現時点では不動産や社債が中心だが、今後はローン債権やベンチャーキャピタル(VC)ファンド、船舶など多様化していくとみられる。
 昨年12月25日には、SBIグループなどが出資する大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)がSTのPTS市場を開設し、流動性の供給にも一定の道筋が付いた。日本取引所グループ(JPX)も、24年度末までに機関投資家向けの発行市場を創設する目標を掲げている。今後さらなる盛り上がりが期待されるSTの現状や課題を探る。

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