特集金利が変える金融[日本経済・マーケット編]

金利環境激変期における日本のソブリンリスクの行方

難局必至、金融緩和の恩恵なき財政のかじ取り

オールニッポン・アセットマネジメント チーフストラテジスト/ウォールズ&ブリッジ 代表 /森田 長太郎

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日本銀行の大規模緩和政策からの正常化が、国債金利の上昇を通じて財政を圧迫することは自明である。この金融環境の激変期に、より長期的な観点から日本の政府債務が抱える潜在的なリスクについて考察しておくべきだろう。本稿では、第一に日銀の金融政策正常化による財政への直接的影響、第二に日本の政府債務が直面し得る当面のリスク、第三に長期的スパンでの政府債務リスクについて整理したい。

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もりた ちょうたろう
88年日興証券入社。日興リサーチセンター、ドイツ証券、バークレイズ証券、SMBC日興証券を経て23年から現職。30年近く債券市場、マクロ経済、金融財政政策の分析に携わる。著書に『政府債務』(東洋経済新報社)、『経済学はどのように世界を歪めたのか』(ダイヤモンド社)等。