特集NISA新たな幕開け

NISA開始後10年で制度は普及するも、未稼働口座が課題

資産倍増プランの実現に向けてカギを握る金融機関の働き

ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員 /前山 裕亮

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2014年から運用を開始し、来年から大幅に拡充され生まれ変わるNISA(少額投資非課税制度)。19年に巻き起こった「老後2,000万円問題」が追い風にもなり、NISAに対する認知や普及は進んだ。今や30代から60代の現役世代では、5人に1人以上がNISA口座を保有する。NISA口座からの買い付けも順調に増え、特につみたてNISAをきっかけに外国株式のインデックス型公募投資信託での資産運用が広がっている。その一方で、足元のNISA口座開設数は一巡したほか、口座開設後の買い付けがない未稼働口座が目立つなど、新NISAの活用が政府の掲げる「資産所得倍増プラン」達成に資するのかも懸念される。

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まえやま ゆうすけ
大和総研、大和証券キャピタル・マーケッツ、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンを経て、現職。株式市場や投資信託といった資産運用の調査、分析に従事。20、21年度、投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」客員研究員。