解説

MiFID2は見直しも、リサーチ手数料低下の潮流は不可逆

所期の目的は達せず負の影響が拡大、資産運用立国の議論も欧州事例を勘案せよ

大和総研 金融調査部 主席研究員 /菅野 泰夫

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取引執行手数料とリサーチ費用との分離(アンバンドリング)を定めたEUの第2次金融商品市場指令(MiFID2)の実施から5年が経過した。欧州の運用機関の多くはリサーチ費用を自己負担しているため、リサーチの利用が大きく減少したほか、リサーチの「価格破壊」も加速した。当初の目的であった取引執行内容の透明性改善が達成できていないとの認識が高まり、英国およびEUの規制当局はアンバンドリング規制の緩和に動いているものの、リサーチに対する高額な手数料の支払いが復活する可能性は低い。

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すげの やすお
99年大和総研入社。年金運用コンサルティング部、企業財務戦略部、資本市場調査部を経て、13年から23年までロンドンリサーチセンター長およびシニアエコノミストとして10年間ロンドン駐在。23年8月から現職。研究・専門分野はグローバル金融市場、年金運用。